『ファイブスター物語』永野護氏スペシャルインタビュー

『ファイブスター物語』永野護氏スペシャルインタビュー MAMORU NAGANO’S The Five Star Stories MAMORU NAGANO SPECIAL INTERVIEW ©EDIT

KADOKAWA(角川書店ブランド)が発行するアニメ雑誌「月刊ニュータイプ」にて連載されている
長編漫画『ファイブスター物語』とのコラボを記念して、原作者の永野護氏にインタビューを実施。
ご自身が思うF.S.S.のファッション観や、
今回ご監修いただいたコラボアイテムについてお話を伺いました。

──キャラクターのコスチューム・デザインに強いこだわりを感じますが、どのようなところからインスピレーションを受けられているのでしょうか?

デザインというものを職業としている、または作家として身を立てているわけですが、インスピレーションは全くありません。

自分の見てきたもの、感じたものが頭の中に詰まり、そこからいろいろ出てくるという感じですので、何かを見て触発されたとかというものはプロになる前、自分の作風が出来上がる前に終わっています。自分の中では『銀河漂流バイファム』を手伝わせて頂いた頃はまだそのインスピレーションというものや何かの影響を受けたものというのがはっきりとありました。大河原(邦男)さんの作ったロボットであるとか、かつて見てきたSF作品であるとかですね。

しかし、次の『重戦機エルガイム』においては、そういった「何かから影響を受けたデザイン」というものが一気になくなって、自分が好き勝手描いたものを形にまとめていくという作業になったと思います。

まあ、さらに次の『機動戦士Zガンダム』ではその好き勝手を制御して前作のガンダムのイメージを引き継ぐデザインを要求されましたので、どこでバランスを取るかの葛藤はありました。

──コスチュームを描く上で心がけていることはありますか?

質感です。
漫画の中でも、例えばTシャツだろうが、上着のスーツ生地や分厚い生地だろうが、なぜかすべて同じ「しわ」で描かれていたりします。一般的な漫画の表現としては間違っていないのですが、薄い生地と厚い生地、硬い生地と柔らかい生地ではしわはまったく違います。

F.S.S.でも騎士達の着る制服は上質なフラノなどが使ってあるのでほとんどしわはないのですが、ベルベットやシルクのような柔らかい生地は、しわはないけれど、そのドレープや動きによってなめらかなラインが出るとか、そういうこだわりはあります。麻のような光が当たってもつや消しのマットな表現や、襟に使われるベルベットやキュプラのような柔らかい光沢が出るとかですね。
あとは『(重戦機)エルガイム』からの特徴ですが、キャラクターの服の縫製ラインや縫い目を可能な限り描こうとはしています。
ともかく、「記号」的な描き方にならないようにいつも注意しています。

コスチュームを描く上で心がけていることはありますか?
▲シワ感や光沢感の異なる複数の素材を組み合わせている今回のコラボバッグ。

──今後、作品内で展開してみたいファッション・スタイルはありますか?

ファッションはその時その時の自分の感覚なので、そういう発想自体がありません。
自分でも次にどういうラインが出てくるのか見当も付きません。次に自分がどういうデザインラインのものを作るのかということが、自分の楽しみでもあります。

──キャラクターのコスチュームの中で、思い入れの強いものはありますか?

デザイナーとしてよく出来たデザインのものは自分なりに評価していますが、かといってこれが一番良い出来だとか、代表デザインだとは言いたくありませんし、思い入れの強いものはないと断言出来ます。これはロボットデザインもキャラデザインも同様です。

──マンガを描く上で一番大切なことはなんでしょうか?

体力と気力ですね。あと月並みな言い方ですが健康を維持すること。
才能より遙かに大切なことですが、当たり前すぎて、多くの方にはピンとこないと思いますが、プロとして数年やれば誰もが嫌でも気がつくはずです。
まだプロになっていないとか職業にしていないという立場の方にはわからないのも仕方がありませんが、まあプロになったからこそ気がつくことなので、とても表現が難しいのです。
「きちんと続ける」これは才能ではなくて、体力だと思います。

──今回ご監修いただいたアイテムについてのご感想をお願いします。

財布やバッグなど、とても丁重に作ってあり、ちょっとびっくりしました。
高級な素材を使うとか手間がかかっているとか、そういうわかりやすいものではなく、ちょっとしたところ、ジッパーがストレスなく開け閉めできるとか、製品を手にした時に引っかかりがないとか、触った感触であるとか、素体そのものがとても良く出来ていると思います。

今回ご監修いただいたアイテムについてのご感想をお願いします。
今回ご監修いただいたアイテムについてのご感想をお願いします。

かつてのグッズと違い、「ぱっと見、キャラグッズとわからない」または「思いっきりキャラクターを主張させる製品」というものにシフトしてからずいぶん経つと思いますが、丁度いい感じにこなれてきている時期なのだと思います。内側や裏側など、買った人にしかわからないにんまり出来るポイントも可愛くていいと思います。
今後も何かありましたら作ってください。

2022年9月 書面にてインタビューを実施
永野護先生、お忙しい中お答えいただき誠にありがとうございました。

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