実は今、○○に夢中なんです♡

2017年12月20日更新!

実は今、〇〇に夢中なんです♡

アニメや漫画、ゲームなどに所縁のある方々のプライベートな一面を覗いちゃおうというこの企画!!
連載第4回目のゲストは人気ゲーム『ドラゴンクエストⅩ』、『ドラゴンクエストⅪ』、『NieR』シリーズなどのプロデューサー 齊藤陽介さんと、『NieR』シリーズのディレクター ヨコオタロウさんが登場です。その後編となる今回は、独特の作風で多くのファンを魅了するクリエイターヨコオタロウさんのハマりものにフォーカス。“ヨコオワールド”にも通じる趣味との向き合い方や、仕事との向き合い方などについて詳しく伺いました!

前編はコチラ→https://www.super-groupies.com/magazine/interview201712/

私にとっては戦いなんです!!

私にとっては戦いなんです!!

――前編では齊藤さんが夢中になっている人狼ゲームについてお伺いしましたが、ヨコオさんは今、何に夢中になっているんですか?

ヨコオさん : 実は物事にハマるということがあまりないんです。趣味がないというか、仕事で好きなことをやらせてもらえているので、趣味が仕事になっているんです。特に最近はお仕事をたくさんいただけるようになって、以前よりも好きなことをやっている状況になっています。それ以外の時間はボーッと酒を飲んでいますね。だから夢中になるという明確な物はなかったんですよ。1週間くらい前までは……。

齊藤さん : 何か生まれたの?(笑)。

ヨコオさん : 『どうぶつの森 ポケットキャンプ』というアプリゲームが登場しまして、私は略して「ドブ森」って呼んでいます。

齊藤さん : ポケ森やどう森とかぶつ森は聞いたことあるけど、ドブ森って(笑)。

――レベルはいくつなんですか?

ヨコオさん : レベルは現在34です。(取材時11月30日の時点)

――えっ、10日ほど前に出たばかりですよね?

ヨコオさん : ここ1週間くらいは意味もなく没頭しています。ただひたすら動物からのおつかいをこなすというゲームです。私にとって、このゲームは戦いなんですよ。だから楽しいという感情とは無縁なんです。

齊藤さん : 前作の時はそんなにハマってなかったよね?

ヨコオさん : いや、結構やってましたよ。最初は普通に楽しんでいたんですけど「たぬきち」っていうタヌキのキャラクターに化かされまして。具体的にはゲーム内で家の改築時にローンを組まされるんです。いつの間にか…。以来、憎悪というか悔しさが膨らんでいったんです。
だから今回のアプリゲームでは、そのキャラにリベンジすることを心の中で目標にしてます。ただあのキャラクターを呼ぶには、有料チケットを使わないと出て来ないので、余計に悔しいんですよね。

私にとっては戦いなんです!!

――ちなみに、1日どのくらいの時間をゲームに費やしているんですか?

ヨコオさん : 作業の合間にちょこちょこと積み重ねて、ざっと4時間くらいですかね(笑)。結構大変なんですよ。どうぶつの話を聞いて、何かを持っていってあげて、そのために魚を釣って、虫を獲ってあげてと…みたいな流れをずっとループしなきゃなので。もうメッセージとか読んでないですから(笑)。ひたすらこう画面をタップして(指でスマホを連打しながら)、飛ばしてます(笑)。ゲームの止め時は魚とかを取りつくしたり、おつかいなどのやることがなくなった時ですね。

――そしてまたゲームに戻るのは、作業の合間にどうぶつたちの様子が気になっちゃうからですか?

ヨコオさん : いや、逃避ですね。書き物の仕事が多いので、これはやらなきゃいけないなと思う時ほどゲームへ逃げる感じです。

――仕事がなくてもやっていたと思いますか?

ヨコオさん : どうだろう…。もっと心安らかに生きてるかもしれないけど、『どうぶつの森』はやってる気がしますね。

――やっぱり好きは好きなんですね

ヨコオさん : たぶん…好き(笑)。そうですね……好きというより執着してるという感じですかね。

私の中でのこのゲームは「会社という社会の中で働き疲れたOLの話」の話なんです

私の中でのこのゲームは「会社という社会の中で働き疲れたOLの話」の話なんです

――そもそも最初に『どうぶつの森』をやり始めたきっかけは何だったんですか?

ヨコオさん : 発売当時話題になっていたからです。継続できたのは周りにプレイしている人がいたというのが大きかったですね。友達たちとアイテムをいろいろ交換するのが楽しくて、その当時はポジティブな感情からスタートした覚えはあります。

――それがいつの間にかリベンジに…

ヨコオさん : 今はネガティブな気持ちでプレイしていますね。ゲーム内でのフレンドの協力がないとできない部分以外はひとりで黙々と遊んでいます。自分のキャラクターも坊主頭の男子がワンピースを着ているという、ゲームの雰囲気とは真逆な感じにしています(笑)。あと結構プレイしてると、いろいろなものに気づいてくるんですよ。ウサギなのに魚を焼いて食べたりとか。「うさぎは草食じゃなかったっけ?」って(笑)。

齊藤さん : あれは社会の縮図だとも言ってたよね(笑)。

私の中でのこのゲームは「会社という社会の中で働き疲れたOLの話」の話なんです

ヨコオさん : そうですね。私としては会社で働き疲れたOLが、周りのできない男性をどうぶつに見立てて生きているというワールドに思えるんです。
どうぶつたちに言われる前に、アイテムを用意し、それを届け、分不相応なリターンをもらうというやりとりって、OLが会社で周りの理不尽な男性に対して行う作業に通じるものがあるんじゃないかなって。しかもこのゲームの世界って、自分と自分にとっての知り合いだけが人間の姿で、それ以外は全員どうぶつなんですよね。だから私の中でこのゲームは「〇〇ちゃ~ん」みたく、無駄に呼びかけ、仕事や話を振ってくる、面倒な同僚や上司の男性を頭の中で動物に変換しないと心の平穏が保てないOLの話のように思えてくるんです。

齊藤さん : エンディングは病院のベッドで目が覚めて…(笑)。

ヨコオさん : そうそう。病院のベッドで目覚めると、どうぶつの顔をした同僚の男性がいっぱいいて、ベッドで寝ているOLをのぞき込んでるのがいいかなと。それが私の考えるエンディングですね(笑)。

私の中でのこのゲームは「会社という社会の中で働き疲れたOLの話」の話なんです

――まさかの夢オチなんですね。ちなみ、ヨコオさん自身のこのゲームに対するゴールはあるんですか?

ヨコオさん : 一応、前のゲームで作った借金を仕掛けた、たぬきちにリベンジするまでです。

齊藤さん : そんなのシステム的に実装されてないじゃん(笑)。

ヨコオさん : だからどういう形でリベンジを成し遂げるのがいいのか、一生懸命考えてるんですよ。でもね、そのへんは『どうぶつの森』ってすごいんです。全部を説明してくれない分、行間がすごくあるのでいろいろと想像の幅を広げられるんですよね。さっきのOLの話もそうですが、例えばブタのキャラクターが出てきたとします。一緒にバーベキューをするシーンがあるんですけど、「次はお前だぞ」とか「次はお前の部位を食う」みたいな。そういうシーンがいくつも浮かぶんですよね。

齊藤さん : (ゲーム内での)ヨコオさんのキャンプ地に行くと、イスやベッドが何一つないんですよね。インテリアアイテムを配置して遊んだりするということは一切なく、更地にポリタンクやガスボンベが並んでいて、でもその周りではどうぶつたちが朗らかに過ごしているという不思議な空間になっているんです。

――え、それは何かを予告してるんですか?

ヨコオさん : リベンジなので、「ここがお前らの最後の場所だぞ」って私なりに示しているんです(笑)。今のうちに笑っとけよって。そういういろいろな楽しみ方ができる部分がすごく好きなんですよね。
しかも最近、後頭部に浮き輪の空気栓みたいなゴムキャップがついてるキャラがいたんですよ。「その空気栓は一体…!?」「私はどうぶつではなく、一体何と戦ってるんだ!?」みたいな、驚愕の展開もあって。

齊藤さん : SFじみてきたね(笑)。

――そういう発見が書き物をする上で参考になったりするものですか?

ヨコオさん : いや、わからないです。でもなってるかもしれないですね。何事も。

やりたいことだけ頑張った結果、それが仕事になりました

やりたいことだけ頑張った結果、それが仕事になりました

――先ほど「仕事で好きなことをやっている」とをおっしゃっていましたが、どういう風にそこへ行きついたんですか?

ヨコオさん : 私自身がだらしない人間なので、やりたいこと以外やりたくないんです。それで、やりたいことだけ頑張っているうちに、それを仕事としてやらせてもらえるようになったんです。でも今度はそれが増えすぎちゃったんですよね…。今もいくつかお仕事をいただいてるんですけど、それが全部遅れているというすごいダメ人間的な状態になってまして。「こんなところで酒を飲んでる場合じゃない!」ってことがよくあるんです。でもまぁ飲んじゃうんですけど。

――ちなみに、「好きなこと=仕事」ということで、その好きな仕事でつまってしまった時ってどう立ち向かうんですか? 大抵の人はそこで趣味とか好きなことに逃避ができると思うのですが

ヨコオさん : それがあったら聞きたい!!(笑)。よく「アイデアが出ない」という話をされる方がいらっしゃいますが、私の場合はちょっと違っていて。アイデア自体は出るんですが、完成に持っていけない。具体的に書き上げる気力が全然持てなくて。座ってダラダラ喋っていたら誰かが自動的にそのアイデアを完成してくれたらスゴく良いのに、って思いながら生きています。そしてその作業から逃げるためにゲームに…。もはや逃避するためにゲームへダイブしてる感じですね(笑)。

やりたいことだけ頑張った結果、それが仕事になりました

――ヨコオさんにとってのこの夢中になっているゲームを一言で表すと…やはりリベンジですか?

ヨコオさん : 地獄ですね(笑)。でも私は戦士なので、あのどうぶつかどうかわからない彼らを根絶やしにするまでは戦い続けます。

齊藤さん : 勇者だね。あの世界から混沌を無くす(笑)。

――ちなみに課金はされるんですか?

ヨコオさん : 無課金ですね。私はもともと課金意欲というものがないんです。それをやってしまうとすんなり勝ててしまうというか、すぐゲーム終わってしまうものだと思っているので。それにゲームを設計している立場として、課金がないとゲーム自体のサービスが終わってしまうので、そうなると運営するためにこの先も課金ポイントがいっぱいあるよねって考えてしまうんです。なので、その1回目を中々踏み出せないんです。1回してしまえば怖いことはないのかもしれないけど、それ以上に面倒くさいなという気持ちがあるので。

ヨコオタロウさんから何かに夢中になっているみなさんへ応援メッセージ

――ありがとうございます。最後に齊藤さんにも伺いましたが、ヨコオさんからも夢中になっている方達に対して一言お願いします。

ヨコオさん : えーっと…僕が小学生の頃、『ドラゴンクエストⅢ』で夢中になって遊んでいたんですが、ある時カートリッジに保存したセーブデータが飛んでしまってすごく落ち込んだことがあったんです。母親には「ゲームのデータくらいでそんな…」みたいなことを言われたんですが、当時の私には人生が変わるくらいの衝撃だったんです。その時から「いずれこの世界はこういうデータが大事になって、そのデータを扱える人間が世界の頂点に立つんだ!」みたいなことを考えていたんです。

――まさに的中してますね。

ヨコオさん : 「データが世界の中心に~」という予言は当たっても、自分が頂点になることはなかったんですけどね(笑)。逆にすべり落ちちゃった感じで。
何が言いたいかというと、どうせ100年もすればみんな死ぬから大丈夫だよと伝えたいですね。何かに夢中になっている人も理解されなくてバカにされても、バカにしていた人たちもどうせ死ぬんだから(笑)。

齊藤さん : だったら好きなことをやってるほうがいいよね。

ヨコオさん : そう。だったら好きなことに夢中になっている人生の方が楽しいと思うんです。だから僕らのような年寄りの言うことは聞かないほうがいい。年寄りはすぐ自分の人生や経験を肯定するような話をし出すんで。人生ってその人が生きてきた年数分の蓄積があると思うんですよね。いろんなことをやるタイプの人もいれば、ひとつのことをずっとやってるタイプの人もいて、でもそれぞれに人生の意味があるわけで。
つまりは生きてる間にどれだけの物事を積み重ねていけるかが人生そのものなので、自分が好きなものでデザインしていくのがいいのかなと。まぁ、僕はその1ブロックをドブ森へのリベンジに使ってるんですけどね!(笑)。

――その続く戦いから、現実の勇者に戻るスイッチはあるんですか?

ヨコオさん : まったくないです。戻れない。戻れてないです(笑)。

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<期間>
2018年2月9日 (金) ~2018年2月13日 (火)

<会場>
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<チケット>
SS席:9,800円 S席:8,000円 A席:7,000円(全席指定・税込)

詳しくは公式ホームページ(http://yorha.com/)をご覧ください。

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Photo_Ryuzaburo Tabata Text_Hiromi Matsushima

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