「キングダム ハーツ」特別撮影レポ・前編
ハイクオリティ&リアル！キーブレード制作

1.3Dプリンタでの出力

今回制作いただいたキーブレードは、3Dプリンタで出力した素体がベース。
3D出力用のデータを整え、出力に適したパーツにデータ分割されたのち、出力が行われた。

ヴェントゥスのキーブレード本体は、7パーツ+装飾で構成されている。

3Dプリンタが置かれている室内は40℃前後に保たれている。担当者さん「部屋が暖かくないと、綺麗に出力が仕上がらない。ただ高温の部屋で出力し続けていると、3Dプリンタの方が壊れるんです(笑)」

3Dプリンタでのパーツ出力が終われば、ここから先は職人の手作業となる。
「出力は機械がやってくれるが、3Dプリンタにはあくまで手伝ってもらっているような感じ。仕上げ、塗装が大変、技術が問われる部分なんです。」と担当者さん。

2.ひたすら磨く

パーツ出力の後は、まずパーツを整えていく。

担当者さんが「一番時間がかかる大切な工程、完成のクオリティに直結する」と話すのが、サンドペーパーで表面を磨く工程。3Dプリンタ出力特有の横縞模様や、パーツ同士のつなぎ目を均していく。欠けにはパテを盛り、また磨く。ひたすら磨き続ける作業が続く…。

3.下地塗り

ひたすら磨いた後は、下地塗り。
独自に調合するサーフェイサー（下地）をエアスプレーでまんべんなく吹きかけていく。

一旦吹付けが終わった後は、電気釜へ。10分程で下地が完全に乾く。乾いた後は目の細かいサンドペーパーで再び表面を磨く。

4.鮮やかな着彩

丁寧にベースを整えたのち、いよいよ着彩の作業になる。
こちらも塗装はエアスプレーが基本。

マスキング等はほぼしない。
マスキングをすると、境目に塗料が残って境目が出来てしまったり、ぬめっとした質感に仕上がってしまう。よりかっこよく仕上げるための準備は、出力前から始まっていたのだ。

10分程度で全てのパーツに2回の色付けが完了し、再び乾燥のため電気釜へ。
無機質だったパーツたちが、一気に重量感や質量を感じる仕上がりとなった。

塗料が定着した後はコーティングを施し完成となる。

5.完成！

そして完成した、3つのキーブレード。
つややかな質感、繊細なチェーンの意匠などが美しい仕上がりだ。